意外にある!?行政書士の仕事と将来性!その報酬はいくらくらい?
「行政書士は食えない資格」なんて言葉を耳にしたことがあります。
実際、食えていない人もいますが、食えている人がいるのも事実。
例えば「建設業許可」などのメジャーな申請だからと言って、行政書士の資格があれば誰でも仕事がもらえるってわけではないですよね(当たり前ですが)。
ってことは、きっと食えている人は、行政書士の資格を活かしていろいろ工夫されているはずです。
まぁ人と同じことをしていても食えないのは、どこの業界も一緒ですよね。
そこで今回は、数ある申請の中でも、まだそこまで認知されていないけど、これから需要が増えるかも!?と思ったものをご紹介したいと思います。
行政書士って仕事ある?
行政書士の仕事って「書類の作成」や「代理申請・提出」ですので、官公庁の書類だけでもすごい数の種類があります。
それでも仕事がもらえない(とれない)人って、努力して行政書士の資格を取ってそこで勉強が終わりの人なんじゃないでしょうか。
やっぱり稼ぐ人って常に向上心を持って勉強をしていますから。
で、当然知識だけじゃなく、仕事を得るには「営業力」ももちろん大事ですよね。
別にペラペラ喋れることが必須なわけではないですが、自分の商品(知識)を相手に伝える力がなければ依頼はきません。
それを直接会って売り込むか、ダイレクトメールで売り込むか、はたまたホームページで売り込むか、これ以外でも何でもアリですが、やっぱり営業力がある人は有利です。
食えている人はこれだけじゃないと思いますが、本当にいろいろと努力されています。
そこで(前置きが長くなりましたが)行政書士になってこのような努力をしつつ、他の人と違うところで勝負したい人は、こんな申請どうでしょう。
「入札参加資格審査申請」。
聞いたことありますか?
聞いたことがない人のために順を追って説明させていただきますね。
そもそも「入札制度」とは
入札制度は、一般的に官公庁などが売買契約や請負契約をする時、公平を期するため利用する制度で、測量や建設関係などの仕事を発注する際によく利用されています。
ご存知だとは思いますが(念のため)、官公庁とは、省庁や都道府県庁、市区町村の役場など、役所のことを言います。
役所ってモノを買ったり何かを発注したりする際、「好きなお店」とか、ただ「安いから」と言う理由では選ばず、(役所ごとに違ったりしますが)ある一定の基準があります。
その基準の中に、入札をしなくても買えたり、入札をしないと買えなかったりがあるんです(請負も同じ)。
よくあるのが「○○万円以上は入札」など、ある一定の金額以上だと「入札にしますよ」っていう役所。
そんなこともあり、一回の発注金額が比較的大きい建設関係は入札になることが多いんです。
入札参加資格審査申請とは
そんな入札制度ですが、官公庁は「いつでも誰でも入札に参加してもいいよ!」ってことはなく、入札に参加したい人(企業)は、前もって官公庁へ「入札に参加させてもらうための手続き」をしなくてはいけません。
それが「入札参加資格審査申請」なんです。
この申請はそれぞれの官公庁が、毎年、あるいは数年に一度、資格の申請を受け付けて、審査に通った会社等に入札参加の資格を発行する、というものです。
申請書類の記入内容はどこも似ていることが多く、会社の概要や資産、前期の売上高など、決して難しいことは聞かれません。
ただし、市町村だけでも全国に約1700あり、それらの多くが独自の申請書類のフォーマットを持っていて、独自のルールで提出を求めてきます。
それらも一つ一つは決して難しいわけでなく、手引きなどをちゃんと読めばほとんどわかるんです。
わかるんですが、数も多くて官公庁で求めてくるものが若干違う...。
大きい声では言えませんが、面倒くさーい(小声)
「全国統一様式にしろよ!」と経験者ならみんな思っているはずですw
行政書士の仕事
そんな手間のかかる申請ですが、企業の人もこの参加資格が大切なことはわかっています。
ただ、この申請を会社の人員だけで全てをやろうとすると時間も人手も足りなくなることがあります。
一件書類を作成から発送まですると、数十分から、長いと数時間かかりますからね。
そこで行政書士の登場です。
この申請は行政書士の代理申請が認められているため、企業に代わって申請書類を作成、提出することができるんです。
また、この参加資格は一度付与されたら終わりではなく、更新しなくてはいけません。
なので、ただの提出代行ではなく、提出先の管理までしてあげたらサービスに付加価値が付いて、依頼者は喜ぶと思います。
こうやって書くと簡単そうですが、やってみると結構大変です。
でも企業も面倒くさがっているからこそ、、そこにチャンスを感じませんか?
行政書士の仕事の将来性は?
ある有名な経営学者の勉強会に参加したとき、その学者が将来の日本や世界の経済について「10年先のことなんてわからない。5年先だってわからないよ」と言っていました。
元々この経済学者の方は好きだったんですが、この言葉がとっても潔くて更に好きになりました。
ってことで私も行政書士が10年後、20年後、存続できるかはわかりませんw
ただ、先ほどご紹介しました入札参加資格審査申請の仕事は将来性があるんじゃないかと思っています。
その理由は次の通りです。
この申請って以前は建設関係などに多かったんですが、最近は物品購入にもこの資格が必要になってきました。
官公庁が購入する物品は低額なものから高額なものまでありますが、全て入札制度を使って購入するわけではありません。
大事なのはこの「資格を持っている」ということ。
役所が「資格を持っている業者からしか買いません(買えません)」となってきているんです。
官公庁としては、なるべく信用のある業者からモノ買ったり委託をしたりしたいってことなんですね。
そんな役所が年々増えてきているので、これが世の中の流れであり、これからも増えていくんじゃないかと思っています。
と言うわけで、
官公庁と取引したい会社などは、必然的に入札参加資格審査申請をする
⇒でも自分のところだけでは処理しきれない
⇒あっ、外注に出そう
⇒行政書士が代理申請してくれるのか!
⇒よし、任せよう!
って感じで仕事をもらえるんじゃないかと思うわけです。
もちろんそこには営業が必要になるでしょうけど、メジャーな建設業許可などのライバルが多いところで勝負するより、こっちの方がよっぽど将来性を感じられるんじゃないでしょうか。
行政書士の仕事の報酬
最後に、この入札参加資格審査申請の報酬ですが、内容にもよりますが、1件あたり数万円が相場です。
慣れてくれば1人でも一日数件はできるので、十分に稼ぐことができます。
ただ官公庁の多くが、この申請を12月~3月くらいに募集しているため、その期間は申請件数がとてつもなく多く、逆に他の月は極端に少なくなります。
そうなると閑散期が不安ですよね。
そこで収益を安定させるために、代行申請とともに管理業務も行い、年間通して稼げる方法を構築すれば安心!ってわけです。
うまくやれば、これだけでも食っていくには困らないんじゃないでしょうか。
まとめ
これから行政書士を目指す人にとっては仕事のあるなし、将来性や報酬など気になりますよね。
なので今回は行政書士の仕事で将来性のありそうな一例をご紹介してみました。
こんな感じの行政書士の仕事って意外と他にもあると思いますよ、きっと。
でも(同業者は特に)ライバルを増やしたくないから「食えない」って言っている可能性もありますし、行政書士の食える仕事をわざわざ発表もしないでしょうねw
なので、本当に行政書士の仕事をやってみたければ、心配ばかりしていないで、とりあえず前進してみてはいかがでしょうか?